秋風落莫
しゅうふうらくばく
名詞
標準
forlorn and helpless
文例 · 用例
秋風落莫諸行無常イヤハヤまことに面目ない次第ぢやて。
— 坂口安吾 『金談にからまる詩的要素の神秘性に就て』 青空文庫
女は地方で「だるま」といふ村の居酒屋の女のやうな風采で、ああ栗谷川文五も人生を終らうとして斯様な女に辿りついたかの感深く、さればとて秋風落莫たる愁ひの中に一本の葉の落ちきつた柿の木を眺めるほどのまともな感慨があるでもない私は、骨董品但し下手物を玩味する眼でひなびた達磨風俗に興を覚えてゐたのであつた。
— 坂口安吾 『狼園』 青空文庫
秋風落莫たる野々宮の心に、踊りは葬列の虚しい歩行と同じものにすぎなかつた。
— ――夢と知性―― 『吹雪物語』 青空文庫
秋風落莫と端坐している。
— 菊香水 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
秋風落莫とうち沈んでいるところへ、突然襖の外に人の足音がとまった気配がする。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
ちょうどこのころ、両国駅の始発列車の片隅に、古風なインバネスの襟を立て、秋風落莫たる面持で眼を閉じている一人の人物があった。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
この頃は秋風落莫だ」「入りが悪いかい?
— 佐々木邦 『田園情調あり』 青空文庫
エノケン、秋風落莫九州落ちの今日、僕の人気ってものを考へると、おそろしい気もする。
— 昭和十二年 『古川ロッパ昭和日記』 青空文庫
作例 · 標準
かつての繁栄も今は昔、人気のない古い屋敷に秋風落莫とした雰囲気が漂っている。
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落選が決まった事務所内は、お祝いの準備が無駄になり秋風落莫たる様相だった。
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定年退職して会社を去る際、彼は少しばかり秋風落莫とした思いに駆られた。
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