檜笠
ひがさ
名詞
標準
文例 · 用例
塗笠、檜笠、竹子笠、菅の笠。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
」 と、法師の脱いで立てかけた、檜笠を両手に据えて、荷物の上へ直すついでに、目で教えたる葭簀の外。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
歩行きながら振返って、何か、ここらにおもしろい事もないか、と徒口半分、檜笠の下から頤を出して尋ねるとね。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
道と空との間に唯一人我ばかり、凡そ正午と覚しい極熱の太陽の色も白いほどに冴え返つた光線を、深々と頂いた一重の檜笠に凌いで、恁う図面を見た。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
ともすると又常盤木が落葉する、何の樹とも知れずばら/″\と鳴り、かさかさと音がしてぱつと檜笠にかゝることもある、或は行過ぎた背後へこぼれるのもある、其等は枝から枝に溜つて居て何十年ぶりではじめて地の上まで落るのか分らぬ。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
何という題であったか忘れたが、自分が九歳の頃東海道を人力車で西下したときに、自分の乗っていた車の車夫が檜笠を冠っていて、その影が地上に印しながら走って行くのを椎茸のようだと感じたと見えてその車夫を椎茸と命名したという話を書いた。
— 寺田寅彦 『明治三十二年頃』 青空文庫
こんな風であるから、これも自分には覚えておらぬが横浜から雇った車夫の中に饅頭形の檜笠を冠ったのがあったそうだ。
— 寺田寅彦 『車』 青空文庫
いづれも、塗笠、檜笠、菅笠、坊主笠を被つて出ると言ふ。
— 泉鏡太郎 『くさびら』 青空文庫