天成の美
てんせいのび
名詞
標準
natural beauty
文例 · 用例
閉じた胸の一時に開けた為め、天成の美も一段の光を添えて、艶なうちにも、何処か豁然と晴やかに快さそうな所も有りて、宛然蓮の花の開くを観るように、見る眼も覚めるばかりで有ッた。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
彼女には倉田の氏の伝統である美とロマンチックの花やかな本能があり、又その天成の美貌と才能とはそれに相応しいものがあった。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
多くの人は自然を取り入れたつもりで、これを破壊し、天成の美を活かしたつもりで、これを殺している。
— 北大路魯山人 『味覚の美と芸術の美』 青空文庫
たまたま不世出の天才と言われる人が、わずかに自然界を直視し、天成の美を掴み得るに過ぎないのだ。
— 北大路魯山人 『味覚の美と芸術の美』 青空文庫
天成の美少年である上に、その芸をかえる度毎に、装いをかえました。
— 安房の国の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
或る時は薄化粧して鉄漿つけた公達の姿となり、或る時は野性そのままの牧童の姿して舞台の上に立つけれども、その天成の美少年であることは、芸をかえることによっても、装いを変えることによっても変ることはありません。
— 安房の国の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
このレコードは一九一〇年以前、シャリアピンが四十歳前のものであろうと思うが、当時のシャリアピンが、技巧よりは天成の美声で、やや脂っこく、――そのくせ朗々と歌ったおもかげは充分に偲ばれるだろう。
— 野村長一 『名曲決定盤』 青空文庫
作例 · 標準
あの山の頂から見える景色は、まさに天成の美だ。
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彼女の飾り気のない笑顔は、天成の美しさそのものだった。
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人の手が加えられていない、この島の天成の美をいつまでも残したい。
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