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松毬

まつかさ
名詞
1
標準
文例 · 用例
それと、戸前が松原で、抽でた古木もないが、ほどよく、暗くなく、あからさまならず、しっとりと、松葉を敷いて、松毬まじりに掻き分けた路も、根を畝って、奥が深い。
泉鏡花 古狢 青空文庫
やっぱり松毬で焼きませぬと美味うござりませんで、当家では蒸したのを差上げます、味淋入れて味美う蒸します。
泉鏡花 歌行燈 青空文庫
……松並木を向うに見て、松毬のちょろちょろ火、蛤の煙がこの月夜に立とうなら、とんと竜宮の田楽で、乙姫様が洒落に姉さんかぶりを遊ばそうという処、また一段の趣だろうが、わざとそれがために忍んでも出られまい。
泉鏡花 歌行燈 青空文庫
姉と妹が、母親から同じ分量の松毬を与へられ、これでもつて、ごはんとおみおつけを作つて見よと言ひつけられ、ケチで用心深い妹は、松毬を大事にして一個づつ竈にはふり込んで燃やし、おみおつけどころか、ごはんさへ満足に煮ることが出来なかつた。
太宰治 津軽 青空文庫
姉はおつとりして、こだはらぬ性格だつたので、与へられた松毬をいちどにどつと惜しげも無く竈にくべたところが、その火で楽にごはんが出来、さうして、あとに燠が残つたので、その燠でおみおつけも出来た。
太宰治 津軽 青空文庫
和尚さんは柴の中から松毬を拾ひ出して、それを炉にくべた。
新美南吉 良寛物語 手毬と鉢の子 青空文庫
二人は松毬が燃えるのを見てゐた。
新美南吉 良寛物語 手毬と鉢の子 青空文庫
和尚さんは眼をそらして、また柴の中から松毬を探し出し、炉の火に投げた。
新美南吉 良寛物語 手毬と鉢の子 青空文庫