苛ち
いらち
名詞形容動詞
標準
in a hurry
文例 · 用例
」と車夫の吉造、婦人を一人輪の下に轢かんとせし、ようよう車を踏留め、胆を潰せしむかばらたち、燐寸にあたりて二三本折っぺしょり、ますます苛ち、「命知らずの馬鹿者め、何だって往来に坐ってるんだ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
三太夫は胸へ込上げ、老人のあせるほど、気ばかり苛ちてものもいわれず、眼玉を据えて口をぱくぱく、芥に酔うたる鮒のごとし。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
いまにも遙な石壇へ、面長な、白い顏、褄の細いのが駈上らうかと且つ危み、且つ苛ち、且つ焦れて、窓から半身を乘り出して居た私たちに、慇懃に然う言つてくれた。
— 泉鏡太郎 『雨ふり』 青空文庫
旅商人体の男は最も苛ちて、「なんと皆さん、業肚じゃございませんか。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
」 満枝は彼の枕を捉へて顫ひしが、貫一の寂然として眼を閉ぢたるに益苛ちて、「余り酷うございますよ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
その因縁でおいらちょいちょい父親の何とかてえ支那の家へ出入をするから、悉しいことを知ってるんだ。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
その因縁でおいらちよいちよい父親の何とかてえ支那の家へ出入をするから、悉しいことを知つてるんだ。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
いらちて鳴らす汽笛も、曉の香夢には徹せざらむ。
— 大町桂月 『金華山』 青空文庫
作例 · 標準
あの店、いつも行列だから、いらちには向かないね。
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もうすぐ電車が来るのに、ホームの端でいらちになって歩き回らないでください。
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彼のいらちには付き合いきれないよ。
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