故実
こじつ異読 こしつ
名詞
標準
ancient practices
文例 · 用例
念の為め主人と私の関係を話して置くと、私の父は幼時に維新の匆騒を越えて来たアマチュアの有職故実家であったが、斯道に熱心で、研究の手傅けのため一人娘の私に絵画を習わせた。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
以上述べたような項目の外に著しく多数に散在しているのは有職故実その他あらゆる知識に関するノートと云ったものである。
— 寺田寅彦 『徒然草の鑑賞』 青空文庫
室に付随した歴史や故実などはベデカによらなければ全くわからないが、窓のながめのよしあしぐらいは自分の目で見つけ出し選択する自由を許してもらいたいような気もした。
— 寺田寅彦 『案内者』 青空文庫
県社の神官に、故実の詳しいのがあって、神燈を調え、供饌を捧げた。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
――雨乞に参ずるのに、杯をめぐらすという故実は聞かぬが、しかし事実である。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
芝居というものはイリュージョンを破りさえしなければいいので、何も有職故実をおぼえに来るところじゃない。
— 岡本綺堂 『久保田米斎君の思い出』 青空文庫
劇詩の消長は劇界の動勢と密接の関係を有する者なるが故に、彼世界の故実旧式は、自からに明治文学の革命の狂んで劇界との折合も付き、爰に此の世界の新面目を開くべしと思はるゝなり。
— 北村透谷 『劇詩の前途如何』 青空文庫
これを読んで伊勢|貞丈の故実の書等に及べば、大抵貸本文学卒業と云うことになる。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
作例 · 標準
宮中の儀式を正しく執り行うため、有職故実に詳しい識者の助言を仰いだ。
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彼は古文書を読み解き、忘れ去られた武家の故実を現代に蘇らせようとしている。
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「伝統を守るためには、単なる形式だけでなくその背後にある故実を知ることが大切だ。」
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