異国風
いこくふう
名詞
標準
文例 · 用例
こうした寂しい老人や老婦人らが、養老院の一室で骨牌をしながら、互に慰め合ってる異国風景を、外国映画のスクリンで見る時ほど、西洋という国の悲しさと味気なさを、沁々と思わせることはないのである。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
彼は下駄を穿いて居る上に寝巻にして居た日本服の古袷に長マントを着て居たので、彼の異国風俗を人々は見返ったのだ。
— 岡本かの子 『伯林の落葉』 青空文庫
たいした深い芸ではないが、琴の音というものは他の楽器の持たない異国風な声であったから、聞きにくくは思わなかった。
— 末摘花 『源氏物語』 青空文庫
その駅逓は丸太組で、極めて簡朴な、そうして異国風の雅味を持った建築であった。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
なんと抒情的な異国風景、 ああ、春楡、山査子、白樺、 広い広い牧草の原、 あ、羊だ、羊だ、遠くを人が追って来ている。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
そこには紅い葵が咲き、向日葵が盛り、西瓜や鶉豆の花、唐黍の毛などがそよいで、それに露西亜人の丸太組の家もところどころに残っているし、異国風の実にまた新鮮な風景だった。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
けれども、それは、決して彼女の幻ではなく、勿論遠景の異国風景が及ぼしたところの、無稽な錯覚でもなかったのである。
— 小栗虫太郎 『絶景万国博覧会』 青空文庫
彼は蒼白い顔に長い毛をふりかぶって、身には異国風の破れた衣服を着て、跣足でうろうろと迷いあるいていた。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫