寝心
ねこころ
名詞
標準
文例 · 用例
ああ、寝心の好い思いをしたのは、その晩きりさ。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
下町、山の手、昼夜の火沙汰で、時の鐘ほどジャンジャンと打つける、そこもかしこも、放火だ放火だ、と取り騒いで、夜廻りの拍子木が、枕に響く町々に、寝心のさて安からざりし年とかや。
— 泉鏡花 『菎蒻本』 青空文庫
ただ夏至のはじめの第一|日、村の人の寝心にも、疑いなく、時刻も違えず、さらさらと白銀の糸を鳴して湧く。
— 泉鏡花 『一景話題』 青空文庫
天気にはなるし、少しずつでも水が引けば寝ても寝心がいい」「さっきおとっさんおもしろかったよ。
— 伊藤左千夫 『水籠』 青空文庫
三 離れの二階の寝心地は安らかであった。
— 徳田秋声 『挿話』 青空文庫
木村にだけはどうしたわけか別だけれども、あなたはびた一|文でも借りをしていると思うと寝心地が悪いというような気象を持っているじゃありませんか。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
おまけに、今夜の宿もよろしくなかったらしく、紀行には「其夜は雨ふりて寝心も好からんと思ひのほかにて、蚤多く眠りかね、五時に起き出で、支度なしたり。
— 岡本綺堂 『寄席と芝居と』 青空文庫
寝心地はすこぶる嬉しかったが、上に掛ける二枚も、下へ敷く二枚も、ことごとく蒲団なので肩のあたりへ糺の森の風がひやりひやりと吹いて来る。
— 夏目漱石 『京に着ける夕』 青空文庫