幻辞.com

女盛り

おんなざかり
名詞
1
標準
prime of womanhood
文例 · 用例
就中喫茶店は、貴婦人社会にさるものありと衆も識りたる深川綾子、花の盛の春は過ぎても、恋草茂る女盛り、若葉の雫滴たるごとき愛嬌を四方に振撒き、多恨多情の八方睨に大方の君子を殺して黄金の汁を吸取ること長鯨が百川を吸うがごとし。
泉鏡花 貧民倶楽部 青空文庫
女盛りの妻の鏡子は、態と老けた髪かたちや身なりをして、老夫のお守りをしなければならなかった。
岡本かの子 母子叙情 青空文庫
三十八の女盛りでありながら、子供一人生まなかつたことが、時々自分に責められた。
岡本かの子 花は勁し 青空文庫
八十歳の婆とか、五歳の娘とか、それは問題になりませんが、女盛りの年頃で、しかもなかなかの美人でありながら、ちっとも私に窮屈な思いをさせず、私もからりとした非常に楽な気持で対坐している事が出来る、そんな女のひとも、たまにはあるのです。
太宰治 青空文庫
二十三四の女盛りで、艶艶した庇髪の陰から覗く、黒味勝ちな眼に馬鹿に charm があるんだ。
南部修太郎 S中尉の話 青空文庫
ただしどう割引をした処で、二十二三は女盛り……近ごろではいっそ娘盛りといって可い。
泉鏡花 白花の朝顔 青空文庫
四歳ほどの年上であることを夫人自身でもきまずく恥ずかしく思っているが、美の整った女盛りの貴女であることは源氏も認めているのである。
紅葉賀 源氏物語 青空文庫
田川夫人が世に時めく良人を持って、人の目に立つ交際をして、女盛りといい条、もういくらか下り坂であるのに引きかえて、どんな人の配偶にしてみても恥ずかしくない才能と容貌とを持った若々しい葉子のたよりなげな身の上とが、二人に近づく男たちに同情の軽重を起こさせるのはもちろんだった。
有島武郎 或る女 青空文庫