金串
かなぐし
名詞
標準
metal spit
文例 · 用例
こうして出来た詰物を臓腑を出したあとの鵞鳥の腹の中に詰め口を糸で括り金串にさして汁で湿しながら焼く。
— 岡本かの子 『食魔に贈る』 青空文庫
爼板の上でコケを取って、金串にそれをさして、囲爐裏に火を起こして焼いた。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
一|疋で金串がまったく占められるような大きなのも二つ三つはあった。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
金串に刺した鳥肌が火の上でじじッと脂肪を垂らす音を聞きながら、彼は千鶴子と槙三に御馳走をするその前に、ルネッサンスの中核を嗅ぎあてることの出来た午前を、山小屋に来た甲斐があったと喜んだ。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
○金串は扇の骨形に刺す。
— 北大路魯山人 『生き烏賊白味噌漬け』 青空文庫
ぜひとも金串に刺して焼くことである。
— 北大路魯山人 『生き烏賊白味噌漬け』 青空文庫
金串の極小に刺して、塩焼きにするのはふつうのことで、これを生のまま赤出しに入れて、若鮎の味噌汁をつくる。
— 北大路魯山人 『若鮎の気品を食う』 青空文庫
金串を打つのにコツがあり、なにも知らずに、ただやたらに何本も串を打ってはいけない。
— 北大路魯山人 『甘鯛の姿焼き』 青空文庫
作例 · 標準
鮎を囲炉裏で塩焼きにする際は、竹串に比べて熱伝導率が高く、身の内部まで火が通りやすい金串が重宝される。
焼き上がった鰻の蒲焼を、身が崩れないよう慎重に金串から抜き取り、熱々のタレを潜らせてから御飯に乗せる。
「ローストビーフの中心まで火が通ったか確認するには、金串を数秒刺してから下唇に当てて、温度を確かめるのが一番だよ」
串打ちの技術が問われる職人の世界では、食材の厚みや硬さに応じて、太さや形状の異なる金串を自在に使い分ける。