刻限
こくげん
名詞
標準
time
文例 · 用例
すると次の刻限を感じて彼女が厳粛な顔をするのであった。
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫
われより若き素直の友に、この世のまことの悪を教えむものと、坐り直したときには、すでに、神の眼、ぴかと光りて御左手なるタイムウオッチ、そろそろ沈下の刻限を告げて、「ああ、また、また、五年は水の底、ふたたびお眼にかかれますかどうか。
— ――(生れて、すみません。) 『二十世紀旗手』 青空文庫
僕は毎日同じ帽子同じ洋服で同じ事をやりに出て同じ刻限に家に帰って食って寝る。
— 寺田寅彦 『イタリア人』 青空文庫
……替りには、刻限までだと、何時に口を掛けても、本人が気にさえ向けば、待つ間が花と云う内に、催促に及ばずして、金屏風の前に衣紋を露す。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
昔からこの刻限を利用して、魔の居るのを実験する、方法があると云ったようなことを過般仲の町で怪談会の夜中に沼田さんが話をされたのを、例の「膝摩り」とか「本叩き」といったもので。
— 泉鏡花 『一寸怪』 青空文庫
奧樣とて日出雄樣とて今夜御出帆になつたら决して御無事では濟みません、はい、其理由は、今日は五|月の十六|日で魔の日でせう、爾して、今夜の十一|時半といふは、何んと恐ろしいでは御座いませんか、魔の刻限ですもの。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
けれど老女は少しも構はず『賓人よ、笑ひ事ではありませぬ、魔の日魔の刻といふのは、一年中でも一番に不吉な時なのです、他の日の澤山あるのに、此日、此刻限に御出帆になるといふのは何んの因果でせう、私は考へると居ても立つても居られませぬ。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
刻限といひ、みゝづくの窓をのぞくのから、飛移るあとをためて、天井の隅へトン、トコ、トン、トコ、トン――三晩めは、娘も家内も三人起き直つて聞いたのである。
— 泉鏡太郎 『木菟俗見』 青空文庫
作例 · 標準
「いよいよ刻限だ。これ以上は待てない、出発しよう」
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約束の刻限を大幅に過ぎても彼が現れないので、何かトラブルがあったのではないかと心配になった。
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江戸の町では、時の鐘が刻限を知らせる唯一の手段として重宝されていた。
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