粋事
いきごと
名詞
標準
文例 · 用例
「なるほど、そいつは粋事だね。
— 鷹のゆくえ 『半七捕物帳』 青空文庫
全くそんなだったものだから、気丈の方では滅多にひけを取らない私でさえも、一時は可遊さんが誰かに切り殺されたんじゃないかとね、まさかに、斯んな粋事とは思えなかった程なんだよ。
— 小栗虫太郎 『絶景万国博覧会』 青空文庫
「この方はなんと云っても芝居がかりの粋事です。
— 青山の仇討 『半七捕物帳』 青空文庫
「おまえさん、なにか粋事ですかえ。
— 弁天娘 『半七捕物帳』 青空文庫
当人もまた婦人に慕われるなんて粋事は自分のようなものにとうてい有り得べからざる奇蹟と思っていたのだそうだ。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
真にそれ自身によってあり、それ自身によって理解するものは、事が事自身を限定する、純粋事実というものでなければならない。
— 西田幾多郎 『デカルト哲学について』 青空文庫
六軒長屋のすぐ外――表通りに住む雪之助という二十七八の男で、本石町の丸木屋の次男坊に生れながら、商売は嫌いの風流事が好きで、こんなところに別宅を建てて貰い、耳の遠い年寄りを一人使って、粋事と雑俳とにその日を暮す、雪江という筆名に相応しい結構な若旦那でした。
— 六軒長屋 『銭形平次捕物控』 青空文庫
「御用ッ」 叩き伏せて、キリキリと縛ると、それはなんと、一番無害らしく見えた、丸木屋の次男で、粋事と雑俳に浮身をやつしている、若旦那の雪之助ではありませんか。
— 六軒長屋 『銭形平次捕物控』 青空文庫