炉側
ろがわ
名詞
標準
文例 · 用例
葉子は姐御のようなふうをして、炉側に片膝を立てて坐っていたが、「お前なんぞ松川さんが愛していると思ったら、飛んだ間違いだぞ。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
杉右衛門は炉側に坐ったまま、いつまで経っても動こうともしない。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
別天地の谿谷はいつも静かで、炉側で坐って考えている彼藤作の眼の前の縁を野兎がピョンピョン刎ねている。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
」 お民は松葉束を流しもとへ投げ出し、それから泥だらけの草鞋も脱がずに、大きい炉側へ上りこんだ。
— 芥川龍之介 『一塊の土』 青空文庫
」 お住はよちよち流し元へ行き、惣菜に煮た薩摩藷を鍋ごと炉側へぶら下げて来た。
— 芥川龍之介 『一塊の土』 青空文庫
しかし炉側に胡坐をかいたお民は塩豌豆を噛みながら、「又壻話かね、わしは知らなえよう」と相手になる気色も見せなかつた。
— 芥川龍之介 『一塊の土』 青空文庫
」 お民はやつとかう云つたと思ふと、塩豌豆を一掴みさらつた後、大儀さうに炉側を立ち上つた。
— 芥川龍之介 『一塊の土』 青空文庫
が、お民は不相変ごろりと炉側へ寝ころんだなり、そら耳を走らせてゐるばかりだつた。
— 芥川龍之介 『一塊の土』 青空文庫