可憐しい
いじらしい
形容詞
標準
lovable
文例 · 用例
均平はふと妻の死の前後のことが憶い出され、小学校へ上がったばかりの加世子が、帰って来ると時々それとなし母を捜して歩き、来る女ごとに手を伸ばし、抱きつきたがる可憐しい姿が浮かんで来て、思わず目が熱くなって来た。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
可憐しいじゃないか…… 密と横顔で振向いて、俯目になって、(貴下はん、見憎うおますやろ、)と云って、極りの悪そうに目をぱちぱちと瞬いたんです。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
」 が、また娘分に仕立てられても、奉公人の謙譲があって、出過ぎた酒場の給仕とは心得が違うし、おなじ勤めでも、芸者より一歩|退って可憐しい。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
」 杉田は、それほど酔つても、猪口を措かうとしない今夜のN―子の、I―子を通しての可憐しい感情に、始終周囲の人々に対して、あやふやな胡麻化しで通して来た彼の気持や態度に恥を感じた。
— 徳田秋聲 『草いきれ』 青空文庫
さきに食事をした場所に引き返して二三服の煙草を吸い、この可憐しい池に「左様なら」をした。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
……(又祈祷の口眞似)あはれ、ローザラインの彼の星のやうな眼附、あの高々とした額、あの眞紅の唇、あの可憐しい足、あの眞直な脛、あのぶる/\と顫へる太股乃至其近邊にある處々に掛けて祈りまするぞ。
— ROMEO AND JULIET 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
彼奴等は可憐しいヂュリエットの手の白玉を掴むことも出來る、また姫の脣から……其上下の脣が、淨い温淑な處女氣で、互ひに密接と合ふのをさへ惡いことゝ思うてか、いつも眞赤になってゐる……其姫の脣から永劫死なぬ天福を窃と盜むことも出來る、ロミオにはそれが能はぬ。
— ROMEO AND JULIET 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
おゝ、ほんに可憐しいお方。
— ROMEO AND JULIET 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
作例 · 標準
転んで膝を擦りむいたのに、泣かずに「大丈夫」と立ち上がろうとする、その健気な姿がいじらしかった。
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痩せ細った子犬が、空腹を訴えるように寂しげな瞳でこちらを見つめていた。そのいじらしい鳴き声につい心を動かされた。
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長年培ってきた技を、衰えた身体に鞭打ってでも守ろうとする老職人の、いじらしいほどの探求心には頭が下がる。
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自分の分のお菓子を友達にあげようとする、その幼いながらもいじらしい心遣いに、思わず頬が緩んだ。
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標準
pitiful
作例 · 標準
小さな手で一生懸命に荷物を運ぼうとする幼い子の姿は、見ていていじらしい。
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寂しさを堪えて笑顔で送り出そうとする彼女の振る舞いが、かえっていじらしく感じられた。
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「ごめんね、次はもっと頑張るから」と泣きじゃくる様子がいじらしくて、つい抱きしめたくなった。
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激しい雨風に打たれながらも、健気に咲き続ける道端の名もなき花がいじらしい。
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