東路
あずまじ
名詞
標準
文例 · 用例
しぶしぶ丹三郎を連れて国元を出発したが、京を過ぎて東路をくだり、草津の宿に着いた頃には、そろそろ丹三郎、皆の足手まといになっていた。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
翁は姉と弟を取って東路へ帰る旅人の手に渡した。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
翁は、螺の腹にえび蔓の背をしたまま旅の餉を背負い、杖を手にして東路に向った。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
「おなじ野の露にやつるる藤袴哀れはかけよかごとばかりも 道のはてなる(東路の道のはてなる常陸帯のかごとばかりも逢はんとぞ思ふ)」 こんなことが言いかけられたのであった。
— 藤袴 『源氏物語』 青空文庫
東路君を訪ねあてる、旧友親友ほどうれしいものはない、カフヱーで昼飯代りにビールをあほつた、夜は夜でおしろいくさい酒をしたゝか頂戴した、積る話が話しても話しても話しきれない。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
名残は尽きないけれど、東路君は勤人、私は行乞坊主なので、再会を約して別れる、八時の列車で小郡へ。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
篤君に逢つたのはうれしかつた、そして東路君に逢へなかつたのは、遺憾といふよりも不快だつた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
――三田尻駅で、東路君に逢ふ、飲む、酔ふ、泊る。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫