阻
阻
名詞
標準
文例 · 用例
それ故に常識化されるまでに一般的通用を阻止することに全力をそそがなくてはならない。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
彼の村は、山陽道と山陰道を分ける中国の脊梁山脈の北側に、熊笹を背に、岩に腰をおろしてもたれかかっているような、人煙まれな険阻な寒村であった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
また「彼れもし行きめぐりて人を執えて召集め(すなわち裁判官が巡回して犯罪人を捕え集めて裁判する如くし)給う時は誰かよくこれを阻まんや、彼は偽る人を善く知り給う、また悪事は顧ることなくして見知り給うなり」と言う。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
佐藤理学士の奥州産業総説に曰く、「撃てば則ち草に匿れ、追へば即ち山に入つた蝦夷族の版図たりし奥州、山岳重畳して到るところ天然の障壁をなし、以て交通を阻害してゐる奥州、風波高く海運不便なる日本海と、北上山脈にさへぎられて発達しない鋸歯状の岬湾の多い太平洋とに包まれた奥州。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
芸術が自由であれば、それだけ高く昇騰すると信ずることは、凧のあがるのを阻むのは、その糸だと信ずることであります。
— 太宰治 『鬱屈禍』 青空文庫
三 トシエは、家へ来た翌日から悪阻で苦るしんだ。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
要するに日本の沿岸ではいかなる季節でも、風の日々変化するのを分析すると、海陸風に相当する風の弛張がかなり著しく認められるが、実際にいわゆる海陸風として現われるのは、季節風の弱い時季か、あるいは特別な気圧配置のために季節風が阻止された場合である。
— 寺田寅彦 『海陸風と夕なぎ』 青空文庫
」この言葉ほどひどく誤解されてそしてそのおかげでエキザクトな物理学の進歩を阻害している言葉はない。
— 寺田寅彦 『人の言葉――自分の言葉』 青空文庫