無双窓
むそうまど
名詞
標準
(openable) panel in a door
文例 · 用例
物置きの戸をはげしく引っかく音がすると思っていると、突然高い無双窓に三毛の姿が現われた。
— 寺田寅彦 『子猫』 青空文庫
監房は片側に十個あるだけで、前は廊下を隔てて無双窓になっている。
— 堺利彦 『獄中生活』 青空文庫
足の裏の千切れて仕舞いそうなのを堪えて探り足で廊下の曲り角まで行くと右側の無双窓の閉め忘れた所から吹き込む夜の風が切る様に私に打ちかかって、止め様としても止まらない胴震いと歯鳴りに私はウワワワワと獣の様な声を出して仕舞った。
— 宮本百合子 『追憶』 青空文庫
子供の時分、夏の嵐を踏台に乗って、無双窓から熱心に眺めた伸子は、懐しくそんなことを思い出したりした。
— 宮本百合子 『伸子』 青空文庫
お咲の部屋の、無双窓の下に敷いた床から離れることは、ほとんど出来ないようになった孝之進は、急に七十を越したように見える。
— 宮本百合子 『日は輝けり』 青空文庫
閉っている無双窓を、差しているピンの先で、みみずの這うほど僅かずつ、時間をかまわずこじあけて、顔中に縦に赤い縞の出来るのもかまわずに、息子の様子を、偸み見ようとする。
— 宮本百合子 『日は輝けり』 青空文庫
だからわずかに雨戸の無双窓をすこしあけておきます。
— 一九三九年(昭和十四年) 『獄中への手紙』 青空文庫
中はそんなに暗いのだけれど、無双窓の櫺子の外はまだうす明るく、楓の青葉が日中よりは却って冴えて織り物のような鮮やかな色を覗かせている。
— 谷崎潤一郎 『蓼喰う虫』 青空文庫
作例 · 標準
茶室の入り口に設けられた無双窓を少し開けると、心地よい庭の風が室内に流れ込んできた。
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古い京町家で見かける無双窓は、板をスライドさせることで採光と通風を自在に調節できる。
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外部からの視線を遮りつつ換気ができる無双窓は、先人の知恵が詰まった優れた建具だ。
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