酔興
すいきょう
名詞
標準
文例 · 用例
私から直治に、あなたをお連れして来るように、って言いつけるのも、何だか不自然で、へんですから、あなたご自身の酔興から、ふっとここへ立寄ったという形にして、直治の案内でおいでになってもいいけれども、でも、なるべくならおひとりで、そうして直治が東京に出張した留守においでになって下さい。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
こんなに長い電灯を何のために作るだろうかと尋ねてみると、これは物好きでも酔興でもない。
— 寺田寅彦 『ムーア灯』 青空文庫
お山の妙見堂の下を、たちまち明るい廓へ入って、しかも小提灯のまま、客の好みの酔興な、燈籠の絵のように、明保野の入口へ――そこで、うぐいの灯が消えた。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
」「どういうわけで」「わけも何もありはしない、ただおまえさんに仕送りがしてみたいのさ」「酔興な!
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
私も酔興だから、おまえさんも酔興に一番私の志を受けてみる気はなしかい。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
それにまた、おいしい料理の食べあきたお旦那は、よく、うで卵など、酔興に召し上りますので、おほほ。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
お旦那は、そんな酔興なお料理が、いちばん好きだってさ。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
これは鹿間屋の若旦那、へっへ、冗談です、まったくの酔興です、ささ、ぞんぶんに水をおいれ下さい。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫