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長句

ちょうく
名詞
1
標準
文例 · 用例
しかるに連句では一つ一つの短句長句はそれぞれにはまとまった表象をもっているが、ある句とその付け句との間の関係はもはや普通の詩歌の相次ぐ二句の間の関係とはよほどちがったものになっている。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
今ただ二つの音の連続だけでは旋律はできあがらないと同様に、ただ一対の長句と短句だけでは連句はできない。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
さて上記の考え方では、連句の長句一つ、短句一つを、それぞれの一つの音に比較するという前提のもとに考えを進めたのであるが、これは多くの中の一つの考え方であって、唯一無二の考え方ではない。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
元来一つの長句ならば長句の中には、実際いろいろな表象や観念が含まれていて、それらの結合によって一つの複雑な光景なり情緒なりが代表され描写されている。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
連句でも、たとえば去来の「恋」の長句の次を凡兆の「恋」の短句で受けるのと、その反対に去来の短句を凡兆の長句で受けるのとでは、だいぶちがった付け味を示すであろうし、去来の「秋」の次に凡兆の「雑」が現われるのと、凡兆の「秋」のあとに去来の「雑」が来るのとではやはりかなりちがった効果的特徴を示すであろう。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
眼前に一つの長句なら長句が「与えられたる前句」として提供されている。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
ことに、たとえば初めの二首のごとき試みにこれを長句短句に分解してそれらをさらにある連句中の一部分として考えてみても実に立派な一連をなしているように思われる。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
しかしわれわれ初心の者が連句を作る際に往々一句の長句あるいは短句の内にあまりたくさんの材料を詰め込むためにかえって連句の体を失し、その結果付け句を困難ならしめることがあるのは、畢竟俳句と連句との区別を忘れるためであると感じることがしばしばある。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫