切れ込み
きれこみ
名詞
標準
cut
文例 · 用例
またある痕は、細長く深く切れ込み、古い本が紙魚に食い貫かれたあとのようになっている。
— 梶井基次郎 『ある心の風景』 青空文庫
わたくしはぐん/\葛岡を引張ったりまた小突いたりしながら、親父橋を渡り、少し行ってから右手の街の中へ切れ込みました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
その上に、腫物のあととも何とも知れぬ黒ずんだ切れ込みのようなものが顔のあちこちにあって、それが彼の顔を非常に顔らしくなくしている。
— 海野十三 『断層顔』 青空文庫
橋を渡ってまだ戸を開けたばかりの通円茶屋の横手から東へ切れ込み、興聖寺の方に歩む。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
肩から胸に向けてV字が深く切れ込み、胸のふくらみを支えつつ、胴にまわってそれを引き締めていた。
— 片岡義男 『東京青年』 青空文庫
前面には油染みた食器が並んでいて、その上には切れ込みの深いくすんだ色の水差し、金属の波型模様の入った丸い容れ物があり、縁取りが青くトルネ産の分厚い陶器皿が積み重ねられている。
— Le Pere Goriot 『ゴリオ爺さん』 青空文庫