御詠
ぎょえい
名詞
標準
poem written by the Emperor or a member of the imperial family
文例 · 用例
つひぞ、かういふ事は十四五歳の後には味はつた事が無かつたのに、暗く交睫みつつある心の表に突然三味線が鳴り出したり御詠歌が聞えたりするのを、半ば無意識に聞くといふ事は、然し兎に角愉快な事であつた。
— 木下杢太郎 『京阪聞見録』 青空文庫
年|少き姉妹の順礼|御詠歌うたひながら下手より登場。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
羅宇しかえ屋の婆さんがくやみに来て、他吉の胸の上で御詠歌の鈴を鳴らし、「他あやん、良えとこイ行きなはれや」 と、言うと、君枝は寝床の裾につけていた顔をあげて、「おばちゃんお祖父ちゃんは、言わんでも、もうちゃんと良えとこイ行ったはる。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
春なれば街の少女が華やぎに、君も交りて美しう、恋の祈誓の初旅や笈摺すがた鈴ふりて、大野のみなみ、菜の花の黄金海透く筑紫みち列もあえかのいろどりに御詠歌流し麗うらと練りも続く日、軟かぜに絵日傘あぐる若菜摘、法師、馬上の騎士たちも照りつ乱れつ菅笠に蝶も縺るる暖かさ。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
俺あ、それば見て考えよると可笑しゅうて可笑しゅうてビッショリ汗かいた」「誰か知らんが、その後の御詠歌のところで大きな声でアクビしたぞ」「あれは俺たい。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
あの御詠歌の文句ばっかりは判らんじゃった。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
羅宇しかえ屋の婆さんがくやみに来て、他吉の胸の上で御詠歌の鈴を鳴らし、「他あやん、良えとこイ行きなはれや。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
――いや、いや、南禅寺から将軍塚を山づたいに、児ヶ|淵を抜けて、音羽山|清水へ、お参りをしたばかりだ、というと、まるで、御詠歌はんどすな、ほ、ほ、ほ、と笑う。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫