薬包紙
やくほうし
名詞
標準
paper for wrapping powdered medicine
文例 · 用例
その中から抓み出した小型の注射器に蒸溜水を七分目ほど入れて、箱の片隅の小さな薬瓶の中の白い粉を、薬包紙の上に零すと、指の先で無雑作に抓み取りながら注射器の中へポロポロとヒネリ込んだ。
— 夢野久作 『笑う唖女』 青空文庫
私とおなじように、やっぱりお灸を据えられたのかと――そして祖母がよくはなす、「祖父が丸の内のお出入り屋敷へゆくと、向うから、薬包紙のように日にやけた小僧が、白い歯をだしてニヤニヤ笑いながら来るので、よく見たら家の息子だった。
— 長谷川時雨 『流れた唾き』 青空文庫
薬包紙に残る指紋はもとより不完全なもので、だれのものともわからず、また、ある一定の人の指紋が現れたとしても、必ずしもその人が亜砒酸を投じたとは断定できません。
— 小酒井不木 『愚人の毒』 青空文庫
七月一日 私がついこの間から始めた此の日記のやうなものは、中味を嚥んだあとの薬包紙をまるめずにとつて置いて百合さんの万年筆で書いてゐるのだ。
— 神西清 『恢復期』 青空文庫
それで少年がはいつて行つて、隅つこで少年雑誌を読んだり、毒薬と黒く貼札のしてある、鍵のついたガラス棚や、劇薬といふ威嚇的な貼札の向うに並べてある薬瓶の列を、こはごは覗いて見たりしてゐるやうな時には、乳鉢を擂る仕事や、調剤の終つた散薬を薬包紙に等分に分ける仕事を、少年に頼むことがあつた。
— 神西清 『地獄』 青空文庫
おそろしいスピードで、ずんぐりしたバラ色の指さきが動き、みるみる薬包紙が畳まれ、角笛みたいに折り重なつてゆく。
— 神西清 『地獄』 青空文庫
薬包紙 膳椀の箱やら金屏風やらあわててゴタゴタと運びこんだ土蔵の中に蒲団を敷いて、おもんは、その上で血を吐いて死んでいる。
— 永代経 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
お蔭様で、楽に寝られるだろう」「ヘエ――これでございます」 番頭の新兵衛は、紺と白と二重の薬包紙に包んだ一服の粉薬を、小さい盆の上に載せて持って来たのです。
— 二服の薬 『銭形平次捕物控』 青空文庫
作例 · 標準
薬剤師は薬包紙を使って慎重に粉薬を包んだ。
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自宅で粉薬を分けるために薬包紙を購入した。
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この薬包紙は湿気を防ぐ加工がされている。
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ウィキペディア
薬包紙(やくほうし)とは、散剤(粉薬)あるいは粒剤を服用1回ずつ分に分包するために用いる薄手の紙である。理科実験などで、医薬品以外の粉末状試薬を計量するために使用する場合もある。
出典: 薬包紙 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0