年増盛り
としまざかり
名詞
標準
文例 · 用例
引きめぐらした幔幕の内、正面には泰松寺の老師、宗右衛門自身の左右には不具の娘が美装して二人並び、ずつと下つて上品な年増盛りの彼の後妻がつゝましく座つた。
— 岡本かの子 『老主の一時期』 青空文庫
お前のような年増盛りは、いつ小女郎に魅こまれるかも知れねえ」「ほほ、忌でございますよ。
— 小女郎狐 『半七捕物帳』 青空文庫
帰宅後妻君がいかに思いの色を見せても構い付けずこの夫人は幾歳だったか書いていないが、その時氏輝の同母兄|氏政が三十三だから氏輝は三十歳ばかり、したがって夫人も二十七、八、縮れ髪たっぷりの年増盛りだったでしょう。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
ところでその今の母親と言うのは前身は芸妓上りと言う事で、まだ色も香も相当残っとる年増盛りじゃが、そのような女にも似合わず、生さぬ仲のお熊を可愛がる事と言うものは実の母親も及ばぬくらいで、トテモ世間並を外れとる。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
年の頃は二十二三、豊満爛熟の年増盛りで、牡丹花のように妖艶であった。
— 国枝史郎 『天主閣の音』 青空文庫
年はおおかた二十五、六、膏の乗った年増盛り、大柄で肉付きよく、それでいて姿のぼやけないのは、踊りで体を鍛えたからであろう。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
その燈火の光を四方から浴び、無駄話している荻野八重梅、年の頃は二十六七、あぶらの乗った年増盛り、どっちかと云うと痩せぎすだが、それだけ抜けるほど姿がいい。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
もう二十四五で、年増盛りという所、早速呼びましたが、この妓の綺麗なンには驚きました。
— ――二川家殺人事件 『黄鳥の嘆き』 青空文庫