指跡
ゆびあと
名詞
標準
文例 · 用例
その間私は絶えず病人を揺り続けているのだが、もう彼女はさっきから殴り続けられた指跡を赤く皮膚に残したまま、私に揺られるがままに身体をぐたぐた崩して寝入ってしまってなかなか眼を醒しそうにもない。
— 横光利一 『時間』 青空文庫
成る程、その大粒な連珠の上には、二つの大きな指跡が、はっきりと浮び出ていた。
— 大阪圭吉 『デパートの絞刑吏』 青空文庫
わらじの先から裸指が、五本ニョッキリ出ていたと見えて、その指跡がついている。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
感応だの、霊感だの、そうした超自然的なことは信ぜられないとしても、父親の指跡の残ってる鋼鉄が、或は単に鋼鉄が、彼になにかよい影響を与えるかも知れない。
— 豊島与志雄 『椎の木』 青空文庫
だが驚いたなあ」 老妓は腕に指痕の血の気がさしたのを、縮緬の襦袢の袖で擦り散らしてから、腕を納めていった。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
だが、驚いたなあ」 老妓は腕に指痕の血の気がさしたのを、縮緬の襦袢の袖で擦り散らしてから、腕を納めていった。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
第八篇 降矢木家の壊崩一、ファウスト博士の拇指痕 こうして、再びこの狂気双六は、法水の札を旧の振り出しに戻してしまった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
しかし、レヴェズの気管を強圧した二つの拇指痕は、この場合、熊城に雀躍りさせたほどの獲物だった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫