麻畑
あさばたけ
名詞
標準
文例 · 用例
麻畑の中へ行って逢おうたッて、そうは行かねえ。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫
一昨日の晩はじめて門をお敲きなすってから、今夜でちょうど三晩の間、むこうの麻畑の中に隠れておいでなすって、めしあがるものといっちゃ、一粒の御飯もなし、内に居てさえひどいものを、ま、蚊や蚋でどんなだろうねえ。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫
はい、麻畑と謂ってやりゃ、即座に捕まえられて、吾も、はあ、夜の目も合わさねえで、お前様を見張るにも及ばずかい、御褒美も貰えるだ。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫
三昼夜麻畑の中に蟄伏して、一たびその身に会せんため、一|粒の飯をだに口にせで、かえりて湿虫の餌となれる、意中の人の窮苦には、泰山といえども動かで止むべき、お通は転倒したるなり。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫
亜麻畑にはまだちらほらと可憐な紫の花が残って見えたが、日は暑くて、耕作馬車の軋り一つきこえなかった。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
しかしジェソップ氏は、からだをかがめ顔を地にすれすれにして、とおく残光が、黄麻畑の果にただようあたりに透した。
— 小栗虫太郎 『一週一夜物語』 青空文庫
麻畑の傍を過ぐ、半ば刈りたり。
— 森鴎外 『みちの記』 青空文庫
この島にはそうたくさんもありませんが、それでも相当に麻畑があります。
— 岡本綺堂 『麻畑の一夜』 青空文庫