醜敵
しゅうてき
名詞
標準
文例 · 用例
濁りなき青年の瞳が、一つ時曇つたとみえるほどの「憂欝」の影は、却つて、明鏡の物をよく映すに似て頼もしく、その銀色の「憂欝」こそ、白煙となつて立ち昇れば、破邪顕正の剣を呑んで、現実の醜敵と刺し違へる雄々しい憤りとなるでありませう。
— ――力としての文化 第五話 『青年の夢と憂欝』 青空文庫
紺飛白のモンペにつつまれた京子の肉体は、不幸なる患者への同情と、赤十字を標的として爆撃した醜敵にたいする憤怒と、愛国の熱情とに燃え上っていた。
— 江戸川乱歩 『偉大なる夢』 青空文庫