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峯々

峯々
名詞
1
標準
文例 · 用例
もはや日没ちかく、残光を浴びて山の峯々が幽かに明るく、線の起伏も、こだわらずゆったり流れて、人生的にやさしく、富士山の、人も無げなる秀抜と較べて、相まさること数倍である、と笠井さんは考えた。
太宰治 八十八夜 青空文庫
峯々に雲がかかっているときは、翁は憂げな眼を伏せてはまた開いて眺めた。
岡本かの子 富士 青空文庫
灰いろと葡萄いろの二流れの雲は峯々を絡み、うずめ、解けて棚引く。
岡本かの子 富士 青空文庫
峯々の雲は日のある空へ棚引いては消え去る。
岡本かの子 富士 青空文庫
その栗の木と白い雪の峯々にかこまれた山の上の平らに黒い大きなものがたくさん環になって集って各々黒い影を置き回々教徒の祈るときのようにじっと雪にひれふしたままいつまでもいつまでも動かなかった。
宮沢賢治 なめとこ山の熊 青空文庫
(けわしくも刻むこころの峯々に いま咲きそむるマグノリアかも。
宮澤賢治 マグノリアの木 青空文庫
時々|立佇まって仰ぎ見ると、雪空は綺麗に晴れ渡って、眼も遥かな頭の上の峯々には朝日が桃色に映じていた。
夢野久作 眼を開く 青空文庫
その峯々から蒸発する湯気が、薄い真綿のような雲になって青い青い空へ消え込んで行くのが、神々しい位、美しかった。
夢野久作 眼を開く 青空文庫