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白河

しらかわ
名詞
1
標準
文例 · 用例
これらの山を踏まえて、農鳥山の支峰、白河内岳が、頭を出す。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
石・苔・偃松(白河内岳に登る記) 野営を撤して、濡れそうなものは油紙で包み、岩伝いに北を向いて、大籠山と後で名をつけた一峰に達した、三等三角測量標が立っている、霧が吹雨を浴びせかけて、顔向けも出来なかったが、白峰山脈で、初めての三角標に触れたのだから、ちょっと去りにくい気がした。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
雄大なる白河内岳が、円く眼の前にボーッと立つ、この山を中心として、雲の大暈が、幻のように圏を描いてひろがる、日輪の輪廓がひろがって黄色い葵の花のように、廻転するかと思われた。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
黄花石楠花が、岩角の間に小さくしがみついて咲いている、その間を踏んで、登れば、千枚沢岳と悪沢岳の間に、赤石山が吊鐘を伏せたように円く立っている、支脈伝いに背面を見た時には、壮大だと思った白河内岳も、ここから見ると、可愛そうなほど、低くなって、下に踞くまってしまった。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
どんな列車でもいいから、少しでも北へ行く列車に乗ろうと考えて、翌朝五時十分、白河行きの汽車に乗った。
太宰治 十五年間 青空文庫
五日、癸卯、霽、鶴岳の別当公暁、宮寺に参籠して、更に退出せられず、数ヶの祈請を致され、都て以て除髪の儀無し、人之を恠しむ、又白河左衛門尉義典を以て、大神宮に奉幣せんが為、進発せしむ、其外諸社に使節を立てらるるの由、今日御所中に披露すと云々。
太宰治 右大臣実朝 青空文庫
おかしな思出はそれぐらいで、白河近くなるにつれて、東京から来がけには、同じ処で夜がふけて、やっぱりざんざ降だった、雨の停車場の出はずれに、薄ぼやけた、うどんの行燈。
泉鏡花 燈明之巻 青空文庫
これあるがためか、と思ったまで、雨の白河は懐しい。
泉鏡花 燈明之巻 青空文庫