幻辞.com

萌黄縅

もえぎおどし
名詞
1
標準
文例 · 用例
けれども、それは何、少いもの同志だから、萌黄縅の鎧はなくても、夜一夜、戸外を歩行いていたって、それで事は済みました。
泉鏡花 女客 青空文庫
黒皮胴、萌黄縅、なかなかりっぱなものだが、いったいいくらで売るのだ」「それも売りたい品ではないが、お母が病気なので、薬代にこまるからやむなく手ばなすんです。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
それは銀色の大数珠で、彼の着用している萌黄縅しの死の晴着を、なおさら壮美に見せた。
第二分冊 新書太閤記 青空文庫
実盛の最後 斎藤別当実盛は、その日、赤地の錦の直垂に萌黄縅の鎧を着け、鍬形打った兜の緒をしめ、黄金作りの太刀に、切斑の矢、重籐の弓という装立ちで、連銭葦毛の馬に、金覆輪の鞍を置き、人目をひく颯爽たる姿で立ち現れた。
第七巻 現代語訳 平家物語 青空文庫
ここに主水正親業という者が、薄青の狩衣の下に萌黄縅の腹巻を着こみ、白月毛の馬にまたがり、河原を上に逃げていたが、これを追ったのが今井四郎兼平、馬上にて矢をつがえ満月に引きしぼってひょうと放てば、狙い誤たず親業の素っ首を射当て、そのまま馬より逆さになって落ちた。
第八巻 現代語訳 平家物語 青空文庫
この日衆徒の一人、坂野四郎永覚という剛の者、弓矢太刀とれば十五大寺に並ぶ者なしといわれていた勇猛な僧であったが、萌黄縅の鎧に黒糸縅の腹巻を重ね、帽子兜に五枚兜の緒をしめ、白柄の大長刀、黒漆の大太刀を左右の手に握り、同宿の僧十余人を前後左右にひきいると、手蓋の門より打って出た。
第五巻 現代語訳 平家物語 青空文庫