揺り上げる
ゆりあげる
動詞
標準
文例 · 用例
「お手拭きなら、ここよ」「なんて、ませたやつだ」 座敷へ入って来てから、ここまでの所作を片肘つき、頬を支えて、ちょうどモデルでも観察するように眼を眇めて見ていた逸作は、こう言うと、身体を揺り上げるようにして笑った。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
すると、突然艇全体を揺り上げるような激動がおこって、みるみる「|鷹の城」は海底に沈みはじめた。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
そうして、そのしぶとい相克が、地峡のいいしれぬ荒廃と寂寥の気に触れたとすれば、当然いつかは、狂気とも衝動ともなりそうな、妙に底からひたぶりに揺り上げるようなものが溜ってきた。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫
将校は不審さうに眉を顰めて、それを読み下してゐたが、暫くすると腹の底から揺り上げるやうに笑ひ出した。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
………何有………然し五里や十里は………まだまだ………』 断々に言ひながら、体を揺り上げるやうにして裾を端折つてゐる。
— 石川啄木 『道』 青空文庫
それが赤子を揺り上げる拍子に偶然保吉と目を合はした。
— 芥川龍之介 『あばばばば』 青空文庫
『そしてその間に、時々突然地が震ひ出して地面を下から上に揺り上げる。
— STORY-BOOK OF SCIENCE 『科学の不思議』 青空文庫
何処かで祭の太鼓、まだ朝のうちだというのに、樽御輿を揉んでいるらしい、子供達の声などが、遠くの方から揺り上げるように聴こえます。
— 夕立の女 『銭形平次捕物控』 青空文庫