軍権
ぐんけん
名詞
標準
文例 · 用例
――その昔、周防の片田舎で医業を営み、一向に門前の繁昌しなかった田舎医者は、維新の風雲に乗じて、めきめきと頭角を現わし、このとき事実上の軍権をにぎっている兵部大輔だった。
— 佐々木味津三 『流行暗殺節』 青空文庫
その理由の一つは、大正七年以来久しく北満市場唯一の信用通貨である日本金円を、近年張長官が軍権と警察権の暴力を以て通用を禁止し、奉天軍閥の資金捻出を目的に濫発を重ねた不換紙幣「哈爾賓大洋」の訓令相場を内外の取引に強制してゐる為めである。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
彼は、都の太師(太政大臣)蔡京閣下の女婿であり、この北京では、軍権、民政、その一手にゆだねられている留守司の重職なので、その羽振りのよさは、言をまたない。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
由来、この武松の性分として、軍権をカサにきる似非軍人、なんでも腕ずく力ずくで非道を押ッ通そうとする手輩、そんな奴を見ると、ぐっと虫が癇をおこしてきて堪らなくなる」「じゃあ、一|臂のお力を」「貸すも貸さねえもありゃしません。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
――しかるに、蒋門神のため、その素地を蹂躪され、しかも軍権力もあるため、無念をのんでいた折です。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
一面軍権をにぎっている司令であるのみならず、その配下には、山東、河北、江西、湖南、両|准、両|浙、各省の軍管区から選抜された「飛天神兵」と呼ばれる精鋭隊があると――これまた戴宗の探りによって分っていたからだった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
富士川に鎧は棄てつすみぞめの ころもただきよ後の世のためただきよはにげの馬にぞ乗りてげる 上総しりがいかけてかいなし五節の沙汰 一戦も交えず敗走した平家の大将軍権亮少将維盛が、福原に面目ない顔で現れたのは十一月八日である。
— 第五巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
「いつ喪を発するかね」「喪はしばらく発するなかれとご遺言でありました」「丞相に代って、軍権を執るものは誰となっておるな」「楊儀に命ぜられました。
— 五丈原の巻 『三国志』 青空文庫