尿毒
にょうどく
名詞
標準
文例 · 用例
ところが今度は、病気の様子がおかしいので、わたくしと嘉六とは母を叱るようにして嘉六のかゝりつけの医者を呼んで来て見て貰いますと、むかし腎盂炎に罹ったあとが全く癒り切らないで残っていて、それが急に重り出して、やゝ尿毒症さえ併発していると申します。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
ついに尿毒症の烈しいのが来て、注射で一時は軽くなったものゝ医者はこの家では手当が覚束ないと病院入りを勧告しました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
Y夫人の急死を聞かされたとき、私の身心はドキンとした、手当は十分行き届いたのだらうけれど、何しろ尿毒症の激発ではどうにもならなかつたらしい、ああ、ああ、Y主人の悲嘆が思ひやられる、彼女は私の酔態をよく知つてくれてゐた、彼女の面影が眼前に彷彿して、無常観をそそつてたまらなくなる。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
尿毒症が出ると、もう駄目なんだから」 尿毒症という言葉も意味も私には解らなかった。
— 夏目漱石 『こころ』 青空文庫
夫人は急激な尿毒症に襲われ、僅か五時間の病いで殪れたのであった。
— 菊池寛 『大島が出来る話』 青空文庫
じゃその尿毒性とやらになりますと、もうむずかしいんでございますか?
— 小栗風葉 『深川女房』 青空文庫
もう疑いなく尿毒性と診断したんです!
— 小栗風葉 『深川女房』 青空文庫
しかしほかの医者は、どうまた違った意見があるかも分りません」「それで何でございましょうか、先生のお見立て通りでございましたら……あの、尿毒性とやら申すのでございましたら……」とお光はもうオロオロしている。
— 小栗風葉 『深川女房』 青空文庫