枯樹
こじゅ
名詞
標準
文例 · 用例
」「……孫めは幸福、お綺麗なお客様で、ばばが目にも枯樹に花じゃ。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
崎川橋という新しいセメント造りの橋をわたった時、わたくしは向うに見える同じような橋を背景にして、炭のように黒くなった枯樹が二本、少しばかり蘆のはえた水際から天を突くばかり聳え立っているのを見た。
— 永井荷風 『深川の散歩』 青空文庫
わたくしはこの巨大なる枯樹のあるがために、単調なる運河の眺望が忽ち活気を帯び、彼方の空にかすむ工場の建物を背景にして、ここに暗欝なる新しい時代の画図をつくり成している事を感じた。
— 永井荷風 『深川の散歩』 青空文庫
愛山者は自然の植物動物奇岩昆虫等一切を愛護し、枯樹一本でも取り捨ててはならぬ、枯樹の配合は自然美を調和すること大なるものがある。
— 平野長蔵 『尾瀬沼の四季』 青空文庫
それのみでなく、この凌州の戦いによる副産物として、黒旋風の李逵が、枯樹山の山賊、喪門神の鮑旭と、相撲とり上がりの没面目の焦挺という二人をも仲間につれて帰って来た。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫