荼
荼
名詞
標準
文例 · 用例
〔雪うづまきて日は温き〕雪うづまきて日は温き、 萱のなかなる荼毘壇に、県議院殿大居士の、 柩はしづとおろされぬ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 五十篇』 青空文庫
来れる二個の眷属は三界無宿の非人にて、魔道に籍ある屠犬児、鳩槃荼、※舎闍を引従え、五尺に足らざる婦人ながら、殺気|勃々天を衝きて、右の悪鬼に襖を開けさせ、左の夜叉に燭を持たせ、栄華の空より墜落して、火宅の苦患を嘗めつつある綾子を犯す乞食お丹、自堕落の態引替えて悪魔の風采凜々たり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
先ず魔法、それから妖術、幻術、げほう、狐つかい、飯綱の法、荼吉尼の法、忍術、合気の術、キリシタンバテレンの法、口寄せ、識神をつかう。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
ところが荼吉尼法は著聞集に、知定院殿が大権坊という奇験の僧によりて修したところ、夢中に狐の生尾を得たり、なんどとある通り、古くから行われていたし、稲荷と荼吉尼は狐によって混雑してしまっていた。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
大日経巻第二に荼枳尼は見えており、儀軌真言なども伝来の古いものである。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
もし密教の大道理からいえば、荼枳尼も大日、他の諸天も大日、玄奥秘密の意義理趣を談ずる上からは、甲乙の分け隔てはなくなる故にとかくを言うのも愚なことであるが、先ず荼枳尼として置こう。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
荼枳尼天の形相、真言等をここに記するも益無きことであるし、かつまた自分が飯綱二十法を心得ているわけでもないから、飯綱修法に関することは書かぬが、やはり他の天部夜叉部等の修法の如くに、相伝を得て、次第により如法に修するものであろう。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
東京近くでは武州|高雄山からも、今は知らぬが以前は荼枳尼の影像を与えたものである。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫