担ぎ出し
かつぎだし
名詞
標準
文例 · 用例
肩がわりの念入りで、丸太棒で担ぎ出しますに。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
」 と、泥でまぶしそうに、口の端を拳でおさえて、「――そのさ、担ぎ出しますに、石の直肌に縄を掛けるで、藁なり蓆なりの、花ものの草木を雪囲いにしますだね、あの骨法でなくば悪かんべいと、お客様の前だけんど、わし一応はいうたれども、丸太棒めら。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
お察しなされて下さりませ』(法師五六人、親鸞聖人の木像を担ぎ出して来る)阿闍梨『親鸞どのもいたわしゅう思召されていらるるだろう。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
「それでは天井から落ちたに相違ない」「そうだそうだ、天井で鼠が喧嘩して、その負傷した血汐の滴り落ちたのだろう」と、断水坊は御苦労にも卓子を担ぎ出してその上へ登り、吾輩は、懐中電灯を輝かして、蚤取眼で天井を隈なく詮索したが、血汐は愚か、水の滴り落ちた形跡すらどこにもない。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
」「あれはね、筵に包んで担ぎ出して、番町の小浜という邸へ行って、玄関見附に大きな松の木があるから好さそうな枝を見繕って、ぶら下げて来るように、権と八に一役おつけ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
で、ろくすっぽう、莨も吸わず、岡持を担ぎ出して、また出て行ってしまう。
— 徳田秋声 『新世帯』 青空文庫
」 笹村は、冴え冴えした声でいつに変らず裏で地主の大工の内儀さんと話していたお銀が入って来ると、じきに捉えてその問題を担ぎ出した。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
――昔、昔、と何でも古を担ぎ出して今を貶す。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫