目隈
めぐま
名詞
標準
文例 · 用例
」 と指したのは、蜘蛛の囲の間にかかって、一面|漆を塗ったように古い額の、胡粉が白くくっきりと残った、目隈の蒼ずんだ中に、一双虎のごとき眼の光、凸に爛々たる、一体の般若、被の外へ躍出でて、虚空へさっと撞木を楫、渦いた風に乗って、緋の袴の狂いが火焔のように飜ったのを、よくも見ないで、「ああ。
— 泉鏡花 『縁結び』 青空文庫
そなたは、長崎松浦屋の――」「はい、わたくしのこの顔に、母親のおもざしが、いくらかのこっておりましょうか――」 と、突きつけたその顔には、恒より老け窶れた衰えがすわり、目隈が青く、唇が歪んで世にもすさまじい、三十おんなの恨みの表情が、一めんに漲っている。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
そこで彼は絵筆を取って、適度の目隈を入れ、眼尻には紅をさし、乾いた眼球そのものをさえ、油絵具で彩った。
— 江戸川乱歩 『恐怖王』 青空文庫