緊箍
きんこ
名詞
標準
文例 · 用例
機嫌の悪いときには、自分が三蔵法師に随っているのは、ただ緊箍咒(悟空の頭に箝められている金の輪で、悟空が三蔵法師の命に従わぬときにはこの輪が肉に喰い入って彼の頭を緊め付け、堪えがたい痛みを起こすのだ。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
半ば臀部は溶けかかりながら、苦心|惨憺の末、ついに耳の中から金箍棒を取出して鋼鑚に変え、金竜の角の上に孔を穿ち、身を芥子粒に変じてその孔に潜み、金竜に角を引抜かせたのである。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
彼が藕糸歩雲の履を穿き鎖子黄金の甲を着け、東海竜王から奪った一万三千五百|斤の如意金箍棒を揮って闘うところ、天上にも天下にもこれに敵する者がないのである。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
」と云ふがいなや後をも振り向かずに、窓側へ駈け寄ると、耳から引出した金箍棒を二三遍ビュービューと唸らせた、かと見れば忽ち掌に飛雲を起し、と天につらなる白雲へ飛び乗つて、雲程万里鵬の勢ひで南の方麒麟山の空へ駆つた。
— 牧野信一 『闘戦勝仏』 青空文庫
恰も金箍棒を打ち振ふ決死の孫悟空の凄まじさだつた。
— 牧野信一 『素書』 青空文庫
初めは金箍をはめてやるのですが、かれこれ六年も毎日やりましたかな。
— 久米正雄 『手品師』 青空文庫
孫悟空に凝って、金箍棒や羅刹女の芭蕉扇をありありと目に見た子供は、やがて原子の姿をも現身の形に見ることが出来るであろう。
— 中谷宇吉郎 『簪を挿した蛇』 青空文庫
そういう所では孫悟空は、自由にその金箍棒をふるうことが出来たのである。
— 中谷宇吉郎 『『西遊記』の夢』 青空文庫