空木
うつぎ異読 ウツギ
名詞
標準
deutzia (Deutzia crenata)
文例 · 用例
太く細き汽笛……新築中の槌の音……街の小児らの声……わが遂に歩み入る竹林の青さ、日かげは漉されて新しく、わがインバネスに、ノートの罫に、径を超えて空木の幹にて衰へ、キンギンボク、毒ウツギの青き葉は暮れやらぬ陰影のなかにありて小砂利のあかりに鋭く嘆く。
— 北原白秋 『春の暗示』 青空文庫
太く、細き汽笛……新築中の槌の音……街の小児らの声……わが遂に歩み入る竹林の青さ、日かげは灑されて新しく、わがインバネスに、ノートの罫に、径を超えて空木の幹にて衰へ、キンギンボク、毒ウツギの青き葉は暮れやらぬ陰影のなかにありて、小砂利のあかりに鋭く嘆く。
— 北原白秋 『桐の花』 青空文庫
そして二三年前飄然と病み衰へた身躰を蹌踉はせてまた村に歸つて來て、そして臺灣で知合になつたとかいふ四國者の何とかいう聾の老爺を連れて來て、四邊の山林から樟腦を作る楠と紙を製るに用ふる糊の原料である空木の木とを採伐することに着手した。
— 若山牧水 『姉妹』 青空文庫
珍らしく紅空木の花が咲いて居るほかは何ひとつ花とて無く、名さえもわかぬ草の種類がひた茂りに茂って居る。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
ひそやかにもの云ひかくる啼声のくろつがの鳥を聞きて飽かなく草の穂にとまりて鳴くよ富士が嶺の裾野の原の夏の雲雀は夏草の野に咲く花はたゞひといろ紅空木の木のくれなゐの花寄り来りうすれて消ゆる真日中の雲たえまなし富士の山辺に追憶と眼前の風景 私は日向の国尾鈴山の北側に当る峡谷に生れた。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
しかし、長羅は武器庫の前まで来たときに、三人の兵士が水壺の中へ毒空木の汁を搾っているのを眼にとめた。
— 横光利一 『日輪』 青空文庫
その小径は、毛莨や釣鐘草や簪草などのひ弱い夏花や、鋭い棘のある淫羊※、空木などの丈低い草木で覆われていて、その入口でさえも、密生している叢のような暗さだった。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫
唯雑木の茂った間に、山空木が咲いているだけである。
— 芥川龍之介 『長江游記』 青空文庫
作例 · 標準
例句