抜き出し
ぬきだし
名詞
標準
文例 · 用例
「オイ、もう五尺は入っただろう」 ガラガラッとハンドルを廻しながら、六尺鑿を抜き出した。
— 葉山嘉樹 『坑夫の子』 青空文庫
囲炉裡の灰の中に、ぶすぶすと燻っていたのを、抜き出してくれたのは、串に刺した茄子の焼いたんで。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
しかし私は一冊ずつ抜き出してはみる、そして開けてはみるのだが、克明にはぐってゆく気持はさらに湧いて来ない。
— 梶井基次郎 『檸檬』 青空文庫
「すっかり濡れてしまいましたけれど、どうやら開きました」 母親は四つに折った書簡箋をそっと抜き出して拡げた。
— 岡本かの子 『快走』 青空文庫
――あなたはやらないんですか」「のみますのよ」 信吉の箱から一本抜き出して、火をつけると、器用に煙の輪をつくった。
— 織田作之助 『夜の構図』 青空文庫
「いろんな歌の手引き草とか、歌に使う名所の名とかの集めてあるのを始終見ていて、その中にある言葉を抜き出して使う習慣のついている人は、それよりほかの作り方ができないものと見える。
— 玉鬘 『源氏物語』 青空文庫
たとえて言えばアルテアは、押し入れの奥から引っ張り出してきた八ビットのパーソナルコンピューターから基板だけを抜き出し、メモリーのあらかたを捨て、周辺機器を接続するインターフェイスも取りはずし、代わりに入力用のスイッチと小さなランプだけを取り付けたような代物だった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
そこで、個々のハードウエアの特徴に対応しなければならない部分だけをCP/Mの中から抜き出して一まとめにし、BIOS(Basic I/O System)と名付けたこの部分だけいじれば移植が終わるようにしたいと考えた。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫