母公
ぼこう
名詞
標準
文例 · 用例
「六日午後実母公得卒中風、昏睡不醒、吐濁唾煤色。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
渡辺氏の事は是より先八月十日の条に、「渡辺母公不快之由申来、午後見舞行」と云つてある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
その「母公」と云ふより見れば、病者は席順の「大監察、渡辺造酒丞、五十七」の母であらう。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
殿の母公聞きて優しき事と、作兵衛に樽肴を賜わる。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
三左衛門は兵を率いて江戸を出発し、水戸城に帰って簾中母公|貞芳院ならびに公子らを奉じ、その根拠を堅めた。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
三条西家もいかなる縁故あってかまだ穿鑿をしてはみぬけれども、以前からして鞍馬寺境内に家屋を所持し、もしくは寺の建物を借り入れて住居としておったらしく、実隆の母公の落髪も、やはりその宿所においてしたので、その時には母公の弟親長の妻が、はるばる鞍馬まで出向いた。
— 原勝郎 『東山時代における一縉紳の生活』 青空文庫
いや、思案ばかりでなく、そのよい相談相手として、自分の主人尾張守頼盛の母公にもあたれば、また清盛の義母にもあたるちょうどいい手づるの御方として――池の禅尼へも内密に縋っている。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
――実はきのう密かに、末盛城へ伺って、親しゅう御母公様にもお目にかかり、勘十郎信行様とも、談合して参った。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫