荘番
しょうばん
名詞
標準
文例 · 用例
別荘番の貸してくれた鎌で、山がかりに出来た庭裏の、まあ、谷間で。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
父は、桜木町の別荘では、来客やら外出やら、同じ家にいても、三日も四日も自分と顔を合せる事が無いほどでしたが、しかし、どうにも、父がけむったく、おそろしく、この家を出て、どこか下宿でも、と考えながらもそれを言い出せずにいた矢先に、父がその家を売払うつもりらしいという事を別荘番の老爺から聞きました。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
現在は別荘番夫婦を置いたのみで打棄てゝあると云ふのである。
— 村山槐多 『殺人行者』 青空文庫
さては俺は別荘番の言つた向ひの山へ這入つたのだなと思つてよく考へると確かにさうである。
— 村山槐多 『殺人行者』 青空文庫
別荘番の老爺は暗く澱んでゐる海の上を、低く飛んで行く雲の脚を見ながら、『今宵は時化かも知れないぞ。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
」 海の模様を見るために出てゐた、別荘番の老爺は、漆のやうに暗い戸外から帰つて来ると、不安らしく呟いた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
女中は声を挙げて別荘番の老爺を呼んだけれども、風雨の音に遮られて、別荘番の家までは、届かないらしかつた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
四 叫び立てる女中達の声に、別荘番の老爺は驚いて馳け付けて来た。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫