空籠
からかご
名詞
標準
文例 · 用例
……頬被したお百姓、空籠荷うて行違う。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
やがて一郎さんは去年の夏、きりぎりすを飼った空籠を持って、たえ子さんは、きしゃごのはいっていたちいちゃな糸網をさげて飛ぶようにして戻ってまいりました。
— 岡本かの子 『ひばりの子』 青空文庫
7 哀れな姉は、それでもいつもの時間が来ると、唇と頬とに紅を塗って、草花の空籠を風呂敷に包んで、夕風の吹いている街路へ出て行った。
— 渡辺温 『可哀相な姉』 青空文庫
宿は小鳥の逃げた空籠のようである。
— 鈴木三重吉 『千鳥』 青空文庫
冷吉は、徒にその空籠を覗いて悔しいやうに、物惜しい、落ちつかぬ心持にいら/\した。
— 鈴木三重吉 『赤い鳥』 青空文庫
幾羽もいる籠へ、萎びた手をあらあらしく差し込んで、二羽|攫み出して、空籠に移し入れるのである。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
すると紅矢は不図、昨夜青眼老人が机の傍に置き忘れて行った鸚鵡の空籠を見付けて、驚いて眼を真円にして尋ねた――「オヤ。
— 夢野久作 『白髪小僧』 青空文庫
「さもなくて空籠で巣帰りする彦じゃねえからのう、はっはっは。
— 梅雨に咲く花 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫