皺襞
しゅうへき
名詞
標準
文例 · 用例
岩石に関してはまだ皺襞や裂罅の週期性が重要な問題になるが、これはまた岩石に限らず広く一般に固体の変形に関する多種多様な問題と連関して来るのである。
— 寺田寅彦 『自然界の縞模様』 青空文庫
裂罅、あるいは「われめ」の生成は皺襞と対立さるべきものでやはり一種の不安定によって定まるものであろうが、このほうの研究はまだきわめて進捗していない。
— 寺田寅彦 『自然界の縞模様』 青空文庫
やはらかい衣の皺襞はするりと腰を滑つて、波のやうに足もとに流れてゐる。
— 薄田泣菫 『西大寺の伎藝天女』 青空文庫
その何人も未だ夢想だにしなかつた厳格な睥睨、その氷山のごとき奇峭な体格、その摂理ある皺襞の投影。
— 横光利一 『冬彦抄』 青空文庫
一人前の人間となる為には、まづ脳髄と称へられる灰白色の塊にも一人前の皺襞を具へなければならぬ。
— 芥川龍之介 『大久保湖州』 青空文庫
これ等の連峰はまた、幾十の枝峰、皺襞を作り普賢そのものも六峰に分岐し、深い襞を作っているので、これ等を足元に見下す心地よさは、全く羽化登仙の快味である。
— 菊池幽芳 『雲仙岳』 青空文庫
眼は、彼は横合ひからひそかに観察しつけてゐるのでよく分るが、上まぶたの皮が襞をなして眼球のうへに垂れさがつた、人類学でいふあの蒙古皺襞に似かよつた構造をなしてゐる。
— 神西清 『灰色の眼の女』 青空文庫
小屋から三、四十間ばかり上手の前面に皺襞の錯綜した十余丈の懸崖が左岸に屹立している。
— 木暮理太郎 『笛吹川の上流(東沢と西沢)』 青空文庫