押さえ
おさえ
名詞
標準
文例 · 用例
尤も種類によっては雄の足を脱離しなくってその代り雄は六本の足で相手を押さえ二本の足を外套膜の中に挿し込む、その時雌は呼吸を止められるから必死になって逃げ出そうと藻掻くそうである。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
○を押さえると△があばれだす。
— 寺田寅彦 『蛆の効用』 青空文庫
万一取り押さえられた場合に狂女を粧って巧みに逃がれようとする用心のためでもあった。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
「あの男はあなたがお手討ちになったのですか」 女はやはり黙っていたが、やがて気がついたように匕首をとり直して、自分の咽喉に突き立てようとしたので、半七は飛びあがって其の手を押さえたが、もう間に合わなかった。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫
奥様もつづいて自害と覚悟しましたが、わたくしが早く押さえたので、幸いに疵は浅手で済みました。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫
届けにゆく途中で取り押さえて、その密書を手に入れれば、なにかの秘密をさぐることが出来たのであるが、空手で帰る途中ではどうにもならない。
— 大阪屋花鳥 『半七捕物帳』 青空文庫
それでも唐人の腕が二度も斬られたと云うので、自分もなんだか気味が悪くなって、四、五日ばかり場所をかえて、青山辺へは寄り付かなかったんですが、馴染のない場末は面白くないと見えて、又もや青山辺へ立ち廻って来たところを庄太に押さえられたんです。
— 唐人飴 『半七捕物帳』 青空文庫
T「後の台詞はあちらの方が御存じだ」 と言って、T「現場を押さえて臭えおまんまを噛ましてやると仰しゃるんでしょう?
— 山中貞雄 『恋と十手と巾着切』 青空文庫