埒もない
らちもない異読 らっちもない
表現形容詞
標準
incoherent
文例 · 用例
それなのに何時も私の心にはキチツと決つた風景が浮ぶところをみれば、或ひは潜在記臆とでもいふものがあつて、それが然らしめるのではないかと、埒もないことを思つてみてゐるのである。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
其処で、へい、麓のものは承知して、私がことを鷺の船頭、埒もない芸当だあ。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
えゝ、埒もない、と気が抜けて、又番人ぢや、と落胆したゞが、其の晩もう一度行く、と待つとも無う夜が更けても、何時の影は映らなんだ。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
一体、君は、何故払はなければ、払はないと、僕に……」 と彼は震へたが、百合子の陳述は恰で埒もないもので、終ひにはワツと泣き出して、吝嗇男とか、芸術家らしくもない、臆病者などゝ暴れて、絶交よ!
— 牧野信一 『好色夢』 青空文庫
万一の時には公方様御旗の前で捨つる命を、埒もない喧嘩口論に果したら何とする。
— 岡本綺堂 『番町皿屋敷』 青空文庫
藤十郎 (快活に笑って)埒もない穿鑿じゃ。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫
口性ない京童の埒もない沙汰じゃ。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫
殿御自身はとうに会津中将へ御味方の御決断も御覚悟もついているのに、重臣共がやれ藩名のやれ朝敵のといって何かと言えば薩長ばらの機嫌ばかりを取結ぽうと、毎日毎夜|埒もない藩議を重ねているのが煩わしくなったに違いないのだ。
— 佐々木味津三 『十万石の怪談』 青空文庫
作例 · 標準
彼の言うことはいつも埒もない冗談ばかりで、真剣な話ができない。
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酔っぱらった彼は、埒もないことをわめき散らしていた。
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「また埒もないことを言って!」と彼女は呆れたように笑った。
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