我勝ち
われがち
名詞
標準
文例 · 用例
後からぞろぞろと七八人、我勝ちに見物に飛出たのがある。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
その爆音を聞くと峻の家の近所にいる女の子は我勝ちに「ハリケンハッチのオートバイ」と叫ぶ。
— 梶井基次郎 『城のある町にて』 青空文庫
「こーれ、めろっこども」と「由」と吉蔵が出て来ると、子守達は我勝ちに駈け出した。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
我勝ち、鳥が飛ぶやうに、ばら/\散ると、さすがは救世主のお乳母さん、のさつと太陽の下に一人堆く黒い服で突立つて、其の狂人と向合つて屈みましたつけが、叶はなく成つたと見えて、根を拔いてストンと貴女、靴の裏を飜して遁げた、遁げると成ると疾い事!
— 泉鏡太郎 『艶書』 青空文庫
さうして釣り込みに一番便利な場所を、組合員は我勝ちにと爭ふ。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
たとへばぶらんこに乘るにも、我勝ちに爭つて乘り、強い者勝ちで、一度乘つてしまふと彼が飽きて降りるまで獨占状態が續く、といふ普通に豫想されることは、意外にも全く見られなかつた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
面上の筋肉が我勝ちに躍るためではない。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
二人の後には物色する遑なきに、どやどやと、我勝ちに乱れ入りて、モードレッドを一人前に、ずらりと並ぶ、数は凡てにて十二人。
— 夏目漱石 『薤露行』 青空文庫