懐想
ふところそう
名詞
標準
文例 · 用例
ビスマルクや、ヒンデンブルグや、伊藤博文や、東郷大将やの人人が、おそらくはまた死の床で、静かに過去を懐想しながら、自分の心に向つて言つたであらう。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
斯老襟懐想い見るべし。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
…… 私は北欧某詩人の北光を讃美した詩を読んで、偶然した北の故郷にあった幼児の昔を懐想して、黄色な雲――灰色の空――白衣の行者――波の音――眼に尚お残っている其等の幻が私の心から拭い去られないで、いかにも神秘に感ぜられる。
— 小川未明 『北の冬』 青空文庫
ビスマルクや、ヒンデンブルグや、伊藤博文や、東郷大將やの人人が、おそらくはまた死の床で、靜かに過去を懷想しながら、自分の心に向つて言つたであらう。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
そればかりか、遠い昔に、燒肉が少し焦げ車の窓から投出した事などを懷想して、つくづくと情なくなつて來た。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
が、僅か一日の妻の懷想で遽に又妻の傍へ歸るとすると、あれ程の覺悟で出かけて來た自分に對して面目ないやうな氣持ちもした。
— 横光利一 『悲しみの代價』 青空文庫