朝凪
あさなぎ
名詞
標準
morning calm (over the ocean)
文例 · 用例
その同じ季節風が朝方には陸風と打消し合って朝凪を現出することになるのである。
— 寺田寅彦 『夕凪と夕風』 青空文庫
朝凪の海、穏かに、真砂を拾うばかりなれば、纜も結ばず漾わせたのに、呑気にごろりと大の字|形、楫を枕の邯鄲子、太い眉の秀でたのと、鼻筋の通ったのが、真向けざまの寝顔である。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
三月の中の七日、珍しく朝凪ぎして、そのまま穏かに一日暮れて……空はどんよりと曇ったが、底に雨気を持ったのさえ、頃日の埃には、もの和かに視められる……じとじととした雲一面、星はなけれど宵月の、朧々の大路小路。
— 泉鏡花 『菎蒻本』 青空文庫
見よ、朝凪の浦の渚、潔き素絹を敷きて、山姫の來り描くを待つ處――枝すきたる柳の中より、松の蔦の梢より、染め出す秀嶽の第一峯。
— 泉鏡花 『月令十二態』 青空文庫
心は安く、気はかろし、揺れ揺れ、帆綱よ、空高く…… ハロウとでも呼びかけたい八月の朝凪である。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
※ヤルート とろりと白い脂を流したやうな朝凪の海の彼方、水平線上に一本の線が横たはる。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
※ヤルート とろりと白い脂を流したような朝凪の海の彼方、水平線上に一本の線が横たわる。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
只|朝凪の浦の静かな、鈍い、重くろしい波の音が、天地の脈搏のやうに聞えてゐるばかりである。
— 森鴎外 『妄想』 青空文庫
作例 · 標準
朝凪の例文