渋っ面
しぶっつら
名詞
標準
文例 · 用例
「あの渋っ面の成瀬奴に、ひとつ眠剤を喫ませてやろう」 手頼りない足どりで部屋を出た。
— 国枝史郎 『天主閣の音』 青空文庫
夕景に及ぶと、宴はいよいよ爛熟し、主従同列に盃を舞わして、歓をつくしているうちに、首席国家老の川合|蔵人だけは、盃もとらず、苦虫を噛んだような渋っ面で腕あぐらをかいて、むっつりと控えている。
— 久生十蘭 『無惨やな』 青空文庫
……ひとつ、この万年青を睨みつけて、じっくりとお考えなすってはどうです」 庄兵衛は、腹立ちまぎれの渋っ面で、腕を引っ組んで考えこんでいたが、やがて、膝を打って躍りあがり、「うむ、読めた。
— 稲荷の使 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
顎十郎が入って来たのを見ると、庄兵衛は日ごろの渋っ面をひきほごして、「やア、風来坊が舞いこんできた。
— ねずみ 『顎十郎捕物帳』 青空文庫