京都人
きょうとじん
名詞
標準
Kyotoite
文例 · 用例
背に腹は代えられぬ情なさだが、しかし「セントルイス」は女の経営にしては、万事大まかに穴があいて、ちゃっかりした抜け目のなさが感じられぬのは、さすがに本妻の気品で、他の京都人経営の喫茶店を嗤っているところもあり、「おれ京都がいやになったよ」 と、京吉が言いに行くには、ふさわしい店でもあった。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
反対されたのは構わなかったが、その時教授の息子である級長の根室が、京都人らしい陰険な眼を眼鏡の奥にぎょろりと光らせながら、ねちねちとした口調で、「毛利君の案は不穏当だと思う。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
京都人はこれを料理につかう場合には、生のを茹でて、それを熱湯のなかから取出すと、いきなりぴしゃりと板の間に投げつけるのを忘れない。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
京都人が日本人の上品さと意気地なさを代表し、大阪人が日本人の利口さとキタナさを代表しているものならば、それ等をゼイロクと罵り去って、玉川上水に尻を使い、天下の城の鯱を横眼に睨んだ江戸ッ子は、正に大和民族の男性的な性格を最も痛快に代表しているものと云えよう。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
しかし、京都人には恐るべきアナボリツクな所がある。
— 竹久夢二 『砂がき』 青空文庫
これではならぬと、仲間の歌詠や画家に塗つて貰つた短冊を五六枚と、茶菓子一皿を景品のつもりで、最後まで聴いて呉れた人に送ることにしたが、短冊と茶菓子の人並外れて好きな京都人も、矢張り最後まで居残る人は一人も無かつたので、折角の名案も何の役にも立たなかつた事がある。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
さうかといつて、苜蓿を京都人に食べさせる訳にも往かなかつたので(京都人は色が白くなるとさへ言つたら、どんな草でも喜んで食べる)丹羽氏は折角の種子を、みんな其辺へぶち撒けてしまつた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
実際爺さんの心算では、傘貼りは一ぱし他助けの仕事らしいが、それに少しの嘘も無い、何故といつて京都人は霊魂よりも着物がずつと値段の張つてゐる事をよく判へてゐる人種だから。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫